最近は文書を書くのに一太郞を使っている。
ワードは英文書くのにはいいのだけれどそれだけ。
と、思ったのだけれど、みんなワードなんだもんなぁと気付いた。
だからワードも一太郞もPCに入っている。なんかアホらしい。
このお話は一回が1500字前後、20回書いても原稿用紙80枚。長編小説書けるヒトはすごいね。よくそんなに書くことあるよなぁ、と思う。でもこれだって30分くらいで書いているのだから、一日中書いたらすぐ200枚くらいいくのだろうか。
ハリーポッターみたく世界規模で売れる本を目指すよ。ハリウッドで映画化期待。
毎年何かしらやってる、CGの動物アニメみたいなのは不可。
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#3
村の入口のアーチ。当然その下には道が通っている。デビルとタスマがアリクイの家まで車で来た道だ。その道は過疎の村とは思えないほど巨大であったが、とにかく視界を遮る物が特にない寂しいこの村にとって、空き地の中にたまたま線がある印象しか無かった。アリクイの家は区画としてはこの道に面していない。少し奥まった位置にある。
「台風で町中の電線が切れたら、幹線沿いから復旧するからこういう場所は後回しなのよね」とタスマは思いながら窓枠を拭きながら外を見た。タマリンがスキップしながら何か歌っている他、視界の中に電柱も電線も見えない。「そんな心配必要なさそうね。地面に埋めているなんて田舎なのにすごいね、お姉ちゃん。」
デビルは何も聞いていない。アリクイの整頓されていた筈の荷物を掻き回し、ヘンテコな物を見つけては笑っていた。
「あ!」突然デビルは叫んだ。「村長の家ってどこよ?あたしのケーキ、このままじゃ道に迷ってるうちに無くなっちゃう!」ため息をつきながらタスマは答える。
「来た道沿いに行くと広場があって、そこの中心の妙に大きな建物がそうだと思うよ」
「詳しいね。説明してたっけ?されててもあたしは聞いてないと思うけど」
「ここ来るとき見えただけだよ。だってこの村何もないから」
妹の答えがデビルを安心させた。これで甘い物を食べる事が出来る。ふぅとため息をつくと、タスマが敷いたばかりのカーペットに寝そべりポケットからだしたミルクせんべいを囓りつつ言った。「お腹すかせていかなきゃね!」
夜になれば田舎の明かりはすべて消える。しかし何もない場所だから迷うこともない。「どうして田舎のヒトってさ、やたら離れて暮らしてるかな。ウルトラ個人主義で、他人の近くにすらいたくないのかな?」タスマがポツリと言う。
「そんな事考えるのって詰まらない」デビルが興味がないことを露骨に示した。
ふたりがケーキ以外の期待を一切せず、ロス村長の自宅兼職場に向かっている頃、駐在が心配そうに村長に尋ねていた。
「村長、いや、新しい仲閒を歓迎しない訳じゃないが、あまりあの二人に深入りしない方がいいんじゃないかと」
「タマリンに妙なこと吹き込まれてからじゃまずかろう。だから歓迎会を開いて先手を打たねば」
ナターシャがつまみ食いをしつつ、心配そうな顔で祖父を見ている。「あの二人、町の・・・??」 あわてて駐在が打ち消した。
「さっき色々調べたんじゃが、南の島から来たのは本当らしい。町の連中とは関係ない筈だ」
ナターシャは嬉しそうにアゴの肉を震わせながら答えた。
「よかった!二人ってね、あたしみたく綺麗じゃないけどお洒落は知っているみたいなの。だから友達になってあげようと思ってて」
村長が眉をしかめながらナターシャを叱った。
「いかんいかん、あんな不良と付き合っては。おまえは大切な孫娘なんじゃ。そんなボランティアなどせんでええ。それより議員連中は遅いのう」
タイコンデロガ村は村長他三人が運営している。鍋屋と電報屋と風見鶏屋の三人だ。それに駐在を加えた5人が村の運命を決めているのだ。
その事が気にくわない若者、その代表格のタマリンとはあまり仲がよくない。タマリンが何をしようとしているのか、村長達は知らないし興味もない。ただ年に数回酒に酔って投石するのは止めてほしかった。そして、孫娘ナターシャを見るいやらしい視線も気にくわない。
その時もの凄いエンジン音が近づいてきた。
「あ!タスマニア姉妹が来たみたい!」
ナターシャは両手でお腹の肉を持ち上げると、短い足を動かし玄関までぜいぜい言いながら歩きドアを開けた。
「ようこそ!おいしいケーキを焼きました!でも先にお料理があります。これも私が腕を奮いました!」
デビルが呟いた。「へぇ食べるの専門かと思ったら、自分でも作るんだ。道理ででぶなわけだ」